◇ホストに依存する女の子たちの生態


こんばんは。
昨日の朝に公開された寄稿記事が、なぜか今日の午後になってから猛烈な勢いで読まれ始めました。

記事はこちらから→フェミニストは萌え絵よりも、タチの悪いホストクラブの規制強化を社会に訴えるべき


どうしてなのかは分かりませんが、恐らくフォロワー数が多く、影響力をお持ちの方がTwitterでリツイートして下さったのだと思われます。
引用リツイートでのコメントやリプライも数多く寄せいていただいております。それだけ皆さんの関心が高いのですね。


寄稿記事については補足を昨日ブログに書きましたが、さらにその補足として、ホストにハマって体を売る女の子たちについての参考資料を紹介します。

まず、寄稿記事中でも紹介されておりますが、記事を書くにあたって読んだのはこちらの本です。

歌舞伎町と貧困女子 (宝島社新書)
中村淳彦
宝島社
2022-12-09



書籍の内容の一部を、無料で公開されているWeb記事で読むことができます。
*Web記事用に短く編集されています。


ホストクラブにいくために立ちんぼをする女性の話(未成年の女の子が1万円で買い叩かれているという下りもここで読めます)はこちらから→ネットより街に立つ方が安心で稼げる...25歳・実家暮らしの女性が歌舞伎町で売春を続ける訳


ホストに狂い、孤独なオジサンたちを罠に嵌め、オジサンから騙し取った財産を全額ホストにつぎ込む女の子たちの話はこちらから→独身49歳の公務員に貢がせた1000万円を、そのままホストに貢ぐ...夜の歌舞伎町で大金が飛び交うヤバイ構図


*追記 この記事を書いた翌日(1月22日)に、未成年が売春をして男の子に貢ぐ話や、ホス狂いの話が新たに4話文春のサイトにアップされ、無料で読めるようになっていたので追加でリンクを貼ります。
もうここまで書籍の内容が無料で読めてしまうと、わざわざ本を買う必要はないかも...。


1、「未成年女子が“おぢ”と売春して地雷男子に貢ぐ」見惚れるようなイケメン大学生が(19)が明かす“異常な事態”

2、女子中高生とリア恋、“地雷男子を恫喝、売春を禁止...トー横の王ハウルは一体何者だったのか「家出少年や家出少女を相手に自分の王国を作りたい」

3、事故物件に住んでホスト通いする風俗嬢(25)の告白「週6の鬼出勤と出稼ぎソープで働き詰め。月100万円がホストに消える」

4、東北出身マジメ女子がホスト通いで堕ちた“同人AVの暗黒”「モザイクとか無修正とか確認しない。AVはラク。ラクに稼いでいる、《本番5万円、中出し10万円》


令和のホストが、どんな風に普通の若い女の子の心の隙間に入っていくのかを、分かりやすく描いているのは
 Z世代の若者にも大人気のこちらの漫画です。




サイコミという漫画アプリで、毎日2話ずつ無料で読むことができます。
第58話〜第99話までの「Knockin' on Heaven's Door」編がホス狂いの話です。


NHKで放送されている「ねほりんぱほりん」という番組でも、ホス狂いは取り上げられていました。
NHKオンデマンドに220円(単品購入110円×2話)課金すれば、過去の放送分が視聴できます。
2018年に放送された回なので、ちょっと内容が古いかもしれません。ホストブームが来るのはこの後ですからね。

こちらから→ねほりんぱほりん「ホストに貢ぐ女」(前編)

こちらも→ねほりんぱほりん「ホストに貢ぐ女」(後編)


NHKですから当然、ホス狂いと言っても出演しているのは未成年ではなく、大人の女性たちです。


ホス狂いについては、昨年たて続けに新書でルポが出ています。
それだけ今、ホス狂いと呼ばれる女性たちが増えているのでしょう。なんせ空前のホストブームだそうですから。
ホストとホストクラブがどんどん増えているのですから、そのお客さんとなるホス狂いの女性たちも増えて当然ですよね。



ホス狂い
大泉りか
鉄人社
2022-08-22



この2冊については読んでいないので、私の主観で内容を紹介することはできませんが、内容の一部が読める記事へのリンクを貼っておきます。

こちらから→「少女漫画のような恋をしたい」40代経営者が月100万円を使う“ホス狂い”になるまで

こちらも→「30万円使っても『キモ!』って思われるんですよ」27歳元ジャニオタが「ホス狂い」に転向した必然


ホス狂いについてなら、私はこうしたルポよりも、むかし読んだ小説の方が強く印象に残っています。

依存姫
菜摘 ひかる
主婦と生活社
2002-05T



もう20年も前に出版された本で、文庫化もされていないし、Kindle版も出ていません。絶版になっているため、中古でしか手に入りません。図書館で見つかることもないでしょう。

これは、風俗嬢をしていた著者による短編小説集です。
その中の一編が、ホストにハマって体を売るようになり、やがて身も心も擦り切れて、最後には壊れてしまう女の子が主役です。
20年前からこういう話はあったんですよね。


この小説は、残念ながら出来が良い作品とは言えません。
ただ、ホストに依存してしまう女の子の痛々しさが、なんだか妙に胸に迫ってくるんですよ。
作家本人が精神的な問題を抱え、依存症も患っていたので、筆致は上手くなくても心情の描写がリアルでした。

私がこの本を印象深く覚えているもう一つの理由は、本が出版された数ヶ月後に、作家が29歳の若さで亡くなったからです。
彼女の訃報を知った時、意外だとは思いませんでした。お体の具合も悪かったようですが、精神的な面でも、とうてい長生きは出来なさそうな方でしたので...。


ホストにハマるような心の隙間や闇を抱えた女の子たちのサポートは、簡単ではないでしょう。それは支援団体が中途半端にサポートできるような性質のものではないのかもしれません。
第一、本人たちが「好きでやっていることなのだから」と、支援を求めなさそうです。

だからこそ、ホス狂いという沼に落ちた女の子をどう救出するかではなくて、そもそも沼に落ちる女の子をこれ以上増やさないように、何らかの法規制が必要なのかなと思います。


「ホストに狂うのは自己責任」という考え方もあるでしょうが、これって消費者金融問題みたいなものだと思うのです。

かつて消費者金融はソフトなイメージで一般の人たちにアプローチして、お金を借りさせて消費を促し、限界を越えた借金をさせて、多くの人を破滅に追いやりましたよね。
べらぼうな金利をとっていたし、借金回収の手口も悪辣でした。追い詰められて人生が崩壊した人や自殺者が続出して社会問題になったことで、ついに規制が入って金利が引き下げられ、過酷な取り立ても禁止されました。

もしも「借金してお金を使ったのは本人なのだから、全て自己責任」だと問題を放置していたら、不幸な人が量産され続けてしまったのではないでしょうか。


ホストクラブに通う女の子たちに「店に行くな」とは言えませんし、ホストに恋する気持ちに制限をかけることもできません。
だからもし規制できるとしたら、入店に年齢制限を設けたり、お金を持っていない女の子に売掛(ツケ)で遊ばせて、多額の借金を背負わせることにでしょうか。
その借金が、売春の元になるのですから。

ホストクラブだけが諸悪の根源だとはいいません。
若い女の子が体を売らざるを得ない理由は、奨学金とか、他にも色々あるでしょう。
けれど、ホストクラブはもう、その影響の大きさと被害が無視できないところまで来ているのではないでしょうか。