◇人は計算されたものには共感しない


こんばんは。
早速ですが寄稿記事が公開されていますので、まだお読みいただいてない方はどうぞ。

こちらから→ハンドメイド雑貨の活動をしていて、自己啓発ビジネスに踊らされてしまった時の話


Facebookが流行っていたのって、もう8〜10年くらい前のことでしょうか。
その頃にFacebookをされていた方はご存知でしょうが、ちょっとした小話の最後に「〜〜とは? 続きはこちらから ↓ 」と書いて、リンク先のブログやメディアに誘導する手法がめっちゃ流行ってましたよね。
Facebookとブログのコンボ集客も全盛期でした。


それらが廃れてしまったのは、効果がなくなったから。
なぜ効果がなくなったのかと言えば、そういった「やり口」に読者や消費者が反応しなくなったからです。
「続きはこちらから ↓ 」の先に、読む価値のあることが書いてあればいいのですが、書いてませんからね。

私もそれが分かってからはテンプレートで書かれた文章のリンクは絶対にクリックせず、むしろ避けるようになりました。


あれから月日が経ち、私も文章でお金をいただくようになりました。
実感するのは、「個性のない型にはまった文章にファンはつかない」し、「読者の反応は計算できない」ということです。

つまり、テンプレートを使って書いた文章で、思い通りに他人の共感を引き出す文章術なんてありえないんですよ。

コラムの寄稿を始めて、かれこれ3年でしょうか。
どういう記事を書けば掲載され、どういう記事は没になるのか、どういう記事なら広く読まれ、どういう記事は読まれないのか、いまだに全く分かりません。このさき分かるようになるとも思えません。


例えばなのですが、マイナビさんに寄稿した記事で、こちらの記事も無事に人気記事としてランキング入りしました。

これです→主婦パートの「収入」はお金だけなのか 私が経験した「こち亀」のような少年たちとの思い出


この記事を書いてる最中、「自分にとってはいい思い出なのだけど、こうしていざ書いてみると地味な話だなぁ。こんなの読んでもらえるのかな?」と思っていました。
自信のないまま納品しましたが、いざ記事が公開されると「エッモい!!!」というコメントを数多くいただき、拡散していただきました。
読者の皆様からのそうした反応に、書いた本人がびっくりしました。


これまでも、「え?こんなんでいいの?」と思う記事が支持を集め、「どやっ!」と思って出した記事が不発に終わるということが何度もありました。
なので、私が綴った文章が共感を集めるかどうかは、「書いてみないと分からない」です。


ただ、不発に終わった記事でも、一部の人からは「あの話が一番好きです」「あれはすごい面白かった」と言ってもらえることがあるので、面白いですよね。

こうした手応えを「面白い」と思えるかどうかが、書き続けられるかどうかの分かれ道なのだと思います。


文章を書くにあたって、文章術などというものに頼ろうとする人は、書くことが好きではないのでしょう。
共感を呼ぶ文章術は、「このテンプレートを使えばサクサク文章が書ける」「面白いように商品が売れる広告文が書ける」「他人に思い通りの行動を取らせることができる」と、まるで魔法のような効果を謳っていました。

けれど、その効果は瞬間的なもので、継続しません。
何故かと言うと、共感を呼ぶ文章術の実態は、「共感を呼ぶ文章を書く方法」などではなく、単に「人を引っ掛ける小技」でしかないからです。

そんなの乱用すればすぐに飽きられるのは当たり前だし、そもそも人は「計算されたもの(狙ったもの)」には共感しません。作意が見えた瞬間に冷めるのが人の心というものです。


残念ながら、世の中に超能力や魔法は存在せず、裏技や近道もあるように見えてありません。
共感を呼び、思い通りの結果が出る魔法のような文章術が本当に存在していたら、それを開発したN氏は今頃有名人のはずですね。

思い通りの結果が出ているはずですから、自らが宣伝している本はミリオンで売れているはずだし、SNSのフォロワーやYouTubeチャンネルの登録者数も100万人単位で居なければおかしい。

私の記事を読んだ人が、「共感を呼ぶ文章術って何?」「N氏って誰のこと?知らないなぁ」と思った時点で、「看板に偽りあり」なのです。魔法のような広告文を打てるはずなのに、全く世間に自分を売り込めていないのですから。


今ならすぐに看破できることなのですが、当時の私はN氏に取り入りたい下心で目が曇っていました。
なぜ彼に取り入ろうとしたかといえば、私自身に実力も実績もなかったからです。自分が何者でもないので、「何だかすごそう」な人の威信を借りようとしました。

で、懸命にゴマを擦って、著書にも協力して、威信を借りられたのかと言えば、「いいえ、全く」です。N氏からお返しいただいたのは「冷たい対応」だけです。
残ったのは苦笑いと、世間に嘘をついた罪悪感と恥ずかしさでした。


もしも文章で何かを伝えたいと思うのならば、「思いが伝わる文章術」なんてものには頼らないことです。たとえ下手でも思いが溢れていて胸を打つ文章ってありますよね。
人の心を動かすのは真っ直ぐな思いと溢れる情熱であって、「上手いこと誘導してやろう」とする作為ではありません。

もしも伝えたいこと、訴えたいことがあるなら、ずるいことは考えず、文章術なんて小技に頼って書こうとしない方が、よっぽど共感を集める文章が書けますよ。