◇「夜露死苦(よろしく)」的ヤンキー文化


おはようございます。
寄稿記事の宣伝を書かなきゃいかんと思いつつ、「急いで宣伝しなくっても、何かしらんがめっちゃ読まれてるからいっか」と余裕ぶっこいてて遅くなりました。

一体何がそんなにウケたのかさっぱり分かりませんが、今回公開されたのはこちらの記事です。

こちらから→大富豪になる夢を見て、美容サロン経営者が異業種に参入した悲劇

*寄稿先のメディアが閉鎖された為、リンクは解除しました。
現在、記事を読むことはできません。


今回の記事は反響が大きく、SNSで数多くのコメントをいただきました。
ありがとうございます。


「実話なの?」

という質問が複数ございましたが、私は基本的に自分の体験や感情を綴ることしかできないので、実話です。


「やっとアニキを問題視してくれる人が出てきた!」

「やっぱり!あのアニキ界隈うさんくさいと思ってた!」

「私の身近にもハマってる人がいます」

「似たような話を私も知ってます」


というお声を多く頂きました。
そうなのですね。私は記事に書いたサロンオーナーを通じてしかアニキを知りませんでしたので、反響の大きさでアニキがそこそこの有名人であることが分かりました。

まあ、豪華キャストで映画化もされているくらいですから、実は信者の多い人なのかもしれません。

神様はバリにいる
玉木宏
2015-06-17



私は寄稿記事のタイトルに本や映画のタイトルを入れてますが、「こんなのおかしいんちゃうか?」と内容をくさす場合には入れることができないので、今回も入れてません。


私はこのアニキの言うことはおかしいと思ってます。

だいたい、自称・大富豪が「大富豪になるためのマインドをシェア」と言ってたら詐欺だと思って間違いありません。こんなんネットにいっぱい居ます。

自称・大富豪のやつらは、

「僕はもう使いきれないくらいのお金を持っているので、人の役に立つため、後進を育てるために慈善事業としてやってます」

とかって言うんですよね。



うるせぇ。黙って学校でも建ててろ!



本気で後進を育てたいなら、有望な若者がより高い教育を受けるための奨学金基金を作るとか、未来ある事業に融資するためのファンドでも作りゃいいでしょう。

なんで、有料でオンラインサロンをしたり、「俺様に会うための高額旅行ツアー」なんてするんですかね?


今回の記事を書くにあたって、我慢してアニキが発信してるメッセージを読んだり、YouTubeチャンネルの動画もせっせと見たのですが、どー見ても頭が悪いチンピラです。



「コロナはアメリカの製薬会社が大儲けするために仕組まれてる。陰謀を感じるなぁ」

ふーん。

「ワクチンは危ない。俺は色んな人から話を聞いてるし、勉強しとるから知っとるけどな」

へー。

「キャッシュレス社会は良くない。国に管理されてまう。現金が一番や」

ほー。



脱税してんのか?( ̄∇ ̄)



かなり忍耐力が試される内容でしたが、こんな人の話すことを大枚はたいて聞きに行く価値は、私は無いと思いますね。

ご本人は確かに幸運を掴んだ人ではあるのでしょう。
ご立派だと思いますが、たまたま手に入れた土地が運良く国の発展と経済成長の波に乗り、価値が爆上がりしたので一財産築いたってだけの土地成金ですよね?


彼に才能があるとすれば、それは夢を見させて人心掌握するのが上手いこと。
豪邸に住み、いい酒を飲み、いい女を抱いて、その様子を見せつけたり、そうした生活の一部を体験させて

「学がなくたって、お前らもワシみたいになれるんやで」

と、憧れさせるのです。昭和のヤクザかと思います。
ヤンキー臭のプンつき方がすごいですよね。だって、「アニキに愛に行く」ですよ?
夜露死苦(よろしく)と同レベルw



この妙な当て字使うサービスの宣伝や集客方法は、かつて私が片足つっこんだことのあるキラキラ起業女子界隈にも蔓延しており、ウンザリさせられたものでした。


一万円 → 一万縁

仕事 →  志事

親友 → 心友

頑張る →  顔晴る

最高 → 最幸


などなど。
この手の当て字を駆使する奴が売ってるサービスや商品に中身がある事はまずありません

真っ当な商売をしている人間や企業には常識、良識、知識があるので、間違った日本語を使うなんて恥ずかしいことはできないからです。


私と考えが同じ方は世間に少なくないようで、記事中の「妙な当て字を使う人間にろくなのはいない」という一文には多くの共感が寄せられました。


記事を読んでコメントを下さった方に教えていただいたのですが、アニキに影響を受けている人は「人と人を繋げたい」とよく言うそうです。
記事中の松尾(仮名)さんも、熱に浮かされたように

「人と人を繋げたい。人と人が繋がっていくハブを作りたい」

と言っていましたが、その言葉はまるっとアニキの受け売りだったということですね。

だとしても、もし本当にそれをやりたいと思っているなら、彼はそのハブの中心に座っていなければならないはず。
軌道に乗っていない新規事業の現場を無責任なアルバイトに任せてしまっていいはずがありません。



私が彼のゲストハウス泊まりに行った時のことを、もう少し詳しくお話ししましょう。
記事中のゲストハウスの名前は仮名ですし、厳密にはゲストハウスでもないのですが、ここでは便宜上ゲストハウスとします。

まずチェックインの際、フロントの女性は宿泊客であろう白人の男性がずっと玄関前をウロウロしていたのに、英語ができないせいか声をかけようとしないので、見かねて私が声をかけて案内しました。

夜のバーでは、お客さんが一人もいないので気持ちは分かりますが、バーテンダーの男性は全面ガラス張りのバーの中で、カウンタースツールに腰掛けてスマホをいじっている様子が丸見えでした。バーのメニューも貧相だったので、「カクテル一杯無料券」をもらっていても入ろうという気になれません。

私の滞在中、運悪く台風の直撃をうけてしまいました。
スタッフさんたちは共用部分(トイレなど)の窓を開けっ放しのまま早々に帰宅されていたため、宿泊客である私があちこちの窓を閉めて回りました。


そこではトイレに行くにもシャワーを浴びるにも、ポットを借りるにも外廊下を通らなければいけない構造になっているため、暴風雨の中では滞在が難しい。
私は結局、台風の日は宿泊を諦めて、実家に身を寄せて夜を明かしました。(実家は私たち家族4人全員が泊まれるほどお客さん用布団の用意がないので、子供たちだけが泊まることになっていたのです)


翌日になってゲストハウスの部屋に戻ると、部屋の一部を工事するためにフロントの男性が部屋の鍵を開け、業者の男性数人が中に入ってこようとしました。
そんな話は聞いていません。
滞在中にルームクリーニングは入らないことになっているため、誰かが部屋に入るとこちらは考えていませんでした。たまたま私は部屋に戻っていましたが、もし居なかったら、荷物を置いたまま、下着を干したままの部屋に断りもなく何人もの人が出入りしていたでしょう。
第一、例えすぐに済む簡単な取り付け工事とはいえ、宿泊客が滞在中の部屋に留守を狙って入り、工事する予定を立てているってどうなんですか?



ただでさえ部屋にはポットもコップもカーテンも無く、不便で居心地が悪い思いをしていたところへ、スタッフの意識の低さ、お客さん目線の欠如が重なり、腹を立てた夫がリッチモンドホテルに部屋を取り直し、連泊の予定をキャンセルして宿を移ることにしました。


リッチモンドホテルなんて、別になんてことのない普通のビジネスホテルだとそれまでは考えていましたが、快適に整えられた個室には清潔で広々としたユニットバスが付き、テレビもあればWi-Fiもある。
ポットとティーセットはもちろんのこと、貸し出し用のスマホまであり、女性にはプラスアルファのアメニティーセットがプレゼントされました。
何がすごいって、ここまで整ったサービスを受けても、一人当たりの一泊料金は松尾さんのゲストハウスよりも安かったのです。
今までは何気なく利用していましたが、充実したサービスを低価格で提供している全国ホテルチェーングループのすごさを実感しました。


もしもサロンオーナーが作ったゲストハウスが一泊2000円ほどだったなら、「安かろう悪かろうは当たり前」だと私も心得て文句を言いませんが、あの有様でリッチモンドホテルに泊まるよりも料金が高かったのが問題でした。
ちなみに近隣にできた他の新しいゲストハウスでは、無料のアメニティーと朝食もついて2000円台の料金をちゃんと実現させています。

安売りしない方針と高い料金設定が悪いわけではありませんが、それならば料金に見合った何らかの高い付加価値が提供されなければ、損をしたように感じるのは私だけではないでしょう。


そもそも宿泊施設には向いていない建物で、ろくなサービスもできてないのに値段が高いのですから、人気が出るわけありませんよね。
「オープンと同時に大人気になるはず」と夢を見ていた松尾さんの目論見は外れ、私が泊まった時にも他に宿泊客はほとんど居ませんでしたし、地域の人にも利用してもらって、人と人が繋がる場にしたいと言っていたラウンジバーも、いつ通りかかっても無人です。

どうすれば、あのゲストハウスが魅力的に大変身し、松尾さんの言っていたような「みんなでワイワイして、人と人が繋がっていく場」になるのか分かりません。
その答えは、彼自身が現場で汗をかきながら見つけることです。


ただ、もしかしたら、そもそもの前提が間違っているのかもしれません。
アニキに心酔する前の松尾さんは、「この先いくつ歳をとっても、僕は現場に出てお客さんの髪を切っていたい」と話していたのに、それがアニキのプライベートビーチや豪邸で贅沢を体験してからは、「僕はもう現場に出ず、人に任せて経営者の仕事に徹しようと思ってます」「お金を稼ぐ仕組みを作って息子に継がせたい」「僕もアニキのように成功して、海外移住を考えたい」などと、言うことが変わっていきました。

もしも、彼の語っていた理想がただアニキに感化されただけの借り物で、ゲストハウス経営が、お金儲けを目論んで流行りものに乗っかっただけだったとしたら、タイミングを見て手放した方がマシなのではないでしょうか。
彼が本心から人生を賭けて取り組みたいことでは無いのですから。

きっとひどい損失を抱えてしまうでしょうが、彼ならばきっと本業で取り返していけると信じています。早く我にかえってくれますように。