◇人は少しは賢くなっているのかもしれない


こんにちは。2月らしからぬ春のような陽気が続き、このまま暖かくなるのかと思ったら今日は極寒です。よく分からない気候とお天気ですね。


さて、このところネットではbrainという新しいプラットフォームが話題でした。




どのようなサービスかというと、有料noteにアフィリエイト機能を付けたようなもの。noteとの違いは「コンテンツを宣伝した人にもお金が入るようになった」ことです。

例えば、私が「慇懃無礼な文章の書き方講座」というコンテンツを有料noteとして1万円で販売するとします。
noteというプラットフォームを利用している限り、そのコンテンツが売れても私にお金が入るだけです。(*noteにも手数料が入りますが話を単純化する為に割愛)

そして、購入した方が「慇懃無礼な文章の書き方講座」を読んで気に入り、是非他の人にも薦めたいと思えば「素晴らしい」「面白かった」「これは有益なコンテンツだ」「再現性のある手法です」などと、ご好意で宣伝をしてくださいます。そうした口コミは純粋な好意によるものです。


ところが、同じコンテンツをbrainで販売することにし、私が「『慇懃無礼な文章の書き方講座』を宣伝し販売してくださった方には50%バックしますよ」と設定すると、1万円のコンテンツが口コミのリンク元(Twitterのツイートやブログ等の記事)から売れるたびに、宣伝してくださった方にも5千円の紹介料が入るのです。
つまり、コンテンツを書いた私と、宣伝と販売をしてくださった方とで売り上げを山分けするということです。

本来なら「ご好意で宣伝してくださった方に心ばかりの謝礼」という意味合いで付加されたサービスなのですが、それを「コンテンツを生み出さなくてもお金を稼げる仕組み」と解釈する人たちが圧倒的多数でして、



「っしゃぁああ!売りまくって稼ぎまくるぞおおおおお!!!」



と鼻息が荒くなり、「フォロワーのみんなっ!マダムユキさんの『慇懃無礼な文章の書き方講座』最高だから買ってみて!これを読めば人を食った文章のコツが丸わかり!たった1万円でどんな人でもたじろぐほど嫌味な文章が書けるようになるから超お得!勉強になるよ〜!」と、コンテンツの内容や出来不出来は関係なくお金を稼ぐ為に熱心に宣伝してくれるんですね。

彼らにとってコンテンツは、

「慇懃無礼な言葉遣いは『黒執事』のセバスチャンのセリフを参考にするといいですよ」




というずっこけるほどスッカスカの中身でも、

「今すぐイギリスとかフランスとかに行ってしばらく暮らして下さい。人間が腹の底から黒い文化の中で揉まれるとデフォで気取り屋かつ意地悪になれます」

という、およそ再現性の無い中身でも関係ありません。


「すっごくイイですよ!」という宣伝文句を素直に信じて購入した人たちは、例えお金を損したと思っても自己責任です。中には自分も宣伝料を稼ぐことで損失を取り返そうと考えて、「マダムユキさんのbrain買ってみたけどすごかったです!」と哀れな他人に損失を転嫁すべく宣伝(被害の拡大)に加担してくれる人も居るでしょう。
おかげさまで私は儲かって儲かって笑いが止まりません。v( ̄∇ ̄)v


以上が大まかなbrainの仕組みです。


で、いつものことながら自らの利にさといイケハヤさんがいの一番に飛びつき、「これは儲かりますよ〜!」と拡声器持ってわめきだし、煽られた低モラルな情弱もお祭り騒ぎを始めたものですから、運営者の「みなさん、節度ある利用をお願いします。モラルの無い方お断りです。マナーを守ってください」なんて呼びかけもかき消えてしまって聞こえない。

リリースされたばかりのサービスだというのに、もうマルチという評判が立ってしまいました。ご愁傷様です。


いや〜、既視感ありますね。思い起こせばvaluもpolcaもそうでした。CASHなんていうのもありましたよね。覚えてますか?
みんな短い命でしたね。

でも、valuなどの騒動の時よりは随分静かです。もう数年前の話ですが、あの頃はイケハヤを筆頭にしたインフルエンサー派もアンチ派も、もっとお互いが大声で怒鳴り合ってたというか、長期にわたりTwitterやブログで派手にどつき合いをしていたと思うのですが、今回はbrainの盛り上がりが目に入ったのはほんの2〜3日でした。

「つまんない…」なんて、思っちゃいけませんね。最早ハーメルンの笛吹男に引っかかる人たちが限定的だということでしょう。
新しいサービスがリリースされては同じような騒動が起こるけれど、騒ぎの規模が小さくなっているということは少しずつ人が賢くなっている証左かもしれません。


「イケハヤに関わっちゃダメ」といくら言ったところで、自分では何のコンテンツも生み出せないのに楽してお金を稼ぎたい人たちにはもう何を言っても無駄ですから、お互いに繋がり合い、お互いにbrainの売り合いっこをしてお金をグルグルと回せばいいのではないでしょうか。

何だかいつの間にかネットには情弱のスラム街が誕生してしまっているみたいです。スラムに集まった人たちはそこから出てこないし、まともな人間はスラムには寄り付かないからこのまま分断が進んでしまうのかもしれません。


しかし、インフルエンサーって何でしょうね。イケハヤさんは一見その言動がネットスラム街の住人たちに影響しているように見えるけれど、実際のところ住人の心を動かし行動を促しているのはお金ですし、イケハヤはその心理を利用しているだけなのですから、「じゃあ、実際のインフルエンサーって諭吉じゃね?」という素朴な疑問が湧いてきます。

やっぱり諭吉はすごいですよね。影響力が絶大すぎる。
さすが日本人女子の「家に来て欲しい男」ランキングで1984年からずっと不動の1位として揺るぎない人気を誇り、殿堂入りしただけはあります。

とはいえ、最近では電子マネーの普及に伴い存在感が薄くなっていますし、2024年にはその地位を渋沢栄一に明け渡すことが決まっていますから、永遠にインフルエンサーでいることは福沢諭吉ですらも不可能なのですね。


brainという新サービスは仮に利用者を選別しクリーン化を計ったとしても、限られたシェアをnoteと奪い合わなければなりませんから、果たして生き残ることができるのでしょうか。
それとも短命に終わるのでしょうか。

のんびりと観察したいと思います。