◇人生と男と女は奥が深い


こんにちは。
LIFEBOOSTERさんに寄稿している記事について、補足エピソードを書こうと思いつつ日が過ぎてしましました。

本題に入る前に、申し上げておきたい旨がございます。
常連の読者様に限らず、一見の読者様に至りますまで、このブログを訪ねて下さりありがとうございます。
皆様のおかげでPVも増え、そう頻繁というほどでもございませんが様々なオファーを頂きます。
周りくどい言い方はしません。私は



記事広告は書きません。



正確に言うと記事広告は書けません
向いていないのです。
自分がよく知りもしない商品やサービスや会社について、おべんちゃらを書くことを前提に報酬を受け取って宣伝はできません。

ブログを書き始めた頃は私も広告記事など書いて報酬を得たいと思っていましたが、次第に向いていないことが分かったのです。
今ではむしろそういう記事を書き始めたら私は終わると思っております。

細々とコラムやエッセイの寄稿はしておりますが、それも「自由に書いて良い」と仰って頂いている為どうにか勤まっている次第でございます。

ですので、大変申し訳ございませんが広告のオファーは受けられません。ご理解いただけますと幸いです。


では、本日の本題に話を戻しましょう。
先日公開された寄稿記事についてです。


まだお読み頂いてない方はこちらから→女と見れば口説くのが礼儀だと考えるイタリア男子に遊ばれた、真美さんの話


世間では東出昌大さんが不倫問題で大バッシングを受けておりますが、クズは国籍を問わずどこの国にも一定数居るものの、私がイギリス留学中に個人的に見聞きした恋愛騒動ではイタリア人のクズっぷりが群を抜いておりました。

今回記事にした真美さん(仮名)のエピソードも印象深かったのですが、もう一つ驚いた事件がありました。
あれはまだ私が渡英して語学学校に通い始めたばかりの頃でしたが、同じ学校に通う日本人に可愛い双子の女の子がいたのです。確か二人は高校を卒業したばかりのティーンだったと思います。

その双子はいつも二人一緒に行動していたのですが、ある時から一人しか登校してこなくなりました。
不思議に思っていると、なんと双子の片割れであるアリスちゃん(仮名)が退学処分になったとの噂が耳に入りました。

その学校のカフェでは学生たちがアルバイトをしていたのですが、その中に童顔で可愛い顔をしたイタリア人留学生の男の子がいて、彼が双子の一人に手を出し、一回ヤったらあっさり態度を変えて次の女の子と仲良くし始めたものだから、怒ったアリスちゃんがカフェで熱々のコーヒーを注文し、レジを打つ彼にぶっかけたのです。

当然ですよね。アリスちゃんのやりきれない気持ち分かります。留学早々にイタリア人の彼氏ができたと舞い上がっていたのに、一夜限りの遊びだったなんてティーンの女の子としては傷つかずにいられないし、しかも相手は何食わぬ顔で次の女の子と仲良くしながら、学生たち皆が毎日利用するカフェでしれっと注文を取っているのですから。
計画的だったのか衝動的だったのかは分かりませんが、本気で彼に恋したアリスちゃんとしては淹れたてのコーヒーの一杯くらいぶっかけたくなるというものです。

これも随分昔ですが、日本でもホテルのラウンジで若い女性にコーヒーをぶっかけられてる男の人を見たことがあります。
その男性は黙ってコーヒーをかぶり、ヒールの靴音を響かせて立ち去る女性を見送った後にスタッフが持ってきたお絞りで顔とスーツを黙って拭いていましたよ。自分が悪くて女性を怒らせたなら文句なんて言わないでしょう。人目もあることですしね。



でも、イタリア人の男の子は違いました。コーヒーをかけられて激怒し、アリスちゃんのことを「頭のイカレた女だ!」と罵倒しただけでなく、なんと暴行を受けたと騒いで警察を呼んだのです。
そして、自分の被害を学校にも強く訴えてアリスちゃんを退学処分にさせました。これには驚きましたね。

「いや、悪いのお前だろ!?コーヒーくらい黙ってかけられとけや!」と、私などは思ってしまいますが、全く悪びれることのない男の子は堂々と学校に残って働きながら勉強を続けていました。


短い間にイタリア男子に泣かされた日本人の女の子を何人も見て、「イタリアの男は決して信用すまい」と固く心に誓った私が田丸公美子さんのエッセイ集と出会ったのは帰国後のことです。




記事を書くにあたって久しぶりに読み返し、あけすけなようでいて決して下品にはならない絶妙な下ネタ加減と切れ味の鋭いユーモアのセンスに改めて感心し、最新のエッセイ集も買い求めて読んでみたところ、思いがけず驚かされ何とも言えない気持ちになりました。
田丸さんも70歳を過ぎ、人生の総括に取り掛かる心境になっていたとみえ、初めて自身の夫と夫婦の関係について語っておられたのです。





田丸さんは浮気な男はごめんだと言い寄ってくる数多のイタリア男たちを躱(かわ)し、上司であった日本人男性と若いうちに結婚したのでしたが、「お金持ちの紳士」と見込んだ男が実は見掛け倒しのクズだったというのですから衝撃です。

結婚するやいなや仕事を辞め田丸さんの収入をあてにして暮らし、田丸さんにお金を出させては怪しげな投資や起業に賭けて何度も失敗し、その尻拭いも妻の稼ぎに頼るのです。加えて甲斐性無しのくせにあちこちの美女と浮気だけはしっかりしてくるのだから、イタリアの伊達男と比べて少しもマシじゃありません。

とはいえ、家事が苦手で、家庭に収まることなど土台無理だった田丸さんにとっては「彼は私を決して変えようとせず、私が働きやすいように暮らさせてくれた」点では良い夫と言えなくもなかったようなので、不幸な結婚だとも決めつけられません。

けれど、これほど聡明で、努力家で、イタリア語通訳として揉まれる中で男女の機微にも通じたチャーミングな女性が結ばれた相手がヒモであるとは、少々残念な気持ちにならずにはいられませんでした。


それでも、田丸さんは義両親には恵まれ、精力的に仕事を続けてキャリアを築き、息子さんも立派に成人なされた。お金の問題で喧嘩と苦労が絶えなかった旦那さんとの長い結婚生活を振り返って、


「誕生も死も、恋愛も結婚も、そして自分の腹から出した子供に至るまで、人生で自分の思い通りになるものなどほぼ無いに等しい」

「人には添うてみよ。気楽で自由なおひとりさまもいいが、縁あった人と深く関わり、子をなし、ともに山や谷を越えるのも悪くない」



と仰るのだから、人生と男女の仲はつくづく奥が深いですね。