◇騙されないためには学ぶのです


あけましておめでとうございます。
令和2年最初のブログ更新です。

クリスマス〜お正月までの一連の行事も終わり、息子も東京へ帰り、仕事も始まり、日常が戻ってまいりました。
また家事と子育てをしながらパートに出て働き、締め切りを気にしながら依頼原稿を書き、ネットを見てブログを書く日々の始まりです。

年末からお正月はゆっくり休めて嬉しかったけれど、息子が居なくなって淋しいけれど、またいつも通りの日々が始まることにホッとしています。

さて、家族と共に充実したお正月休みを過ごさせていただきましたが、ネットはチェックしておりました。
ニュースはカルロス・ゴーンの逃亡で賑やかでしたが、私が観察している界隈ではキメラゴンくんが話題の中心でした。
キメラゴンくんについては先月の記事(インターネットに輝く星々の悲しみ)にも書きましたが、その後彼をインタビューしたウェブメディアの記事(月収6桁の中学生ブロガー、「就職したくないから稼げるようになりたい」)がYahoo!ニュースで配信されると一気に注目度が増して時の人に。


そしたらすかさずイケハヤさんが乗っかって来て、対談イベントやるそうですよ。

スクリーンショット 2020-01-05 18.07.20

色々煽るようなツイートもしているようです。毎度のことですね。


面白いですね。
2019年12月25日にYahoo!で配信された記事では、


――実際どれくらいの収入があるのでしょうか。
 毎月安定して稼げる仕事があって、それをこなせば毎月最低10万円にはなります。12月は25万円近くいくのではないかと思います。


と書いてあるのに。
どうして、見込みで25万からいきなり月収200万や300万に跳ね上がるのかしら?

不思議に思っていると、「Yahoo!で配信されたことで注目を集め、noteが売れたようですよ」とフォロワーさんに教えていただきました。
でも、月収200万とか300万て言い始めたの大晦日でしょ?
いくらYahoo!の影響力が絶大とはいえ、クリスマスから大晦日までのたった1週間で175〜275万円も子供が書いた有料noteが売れるのかしら?
そんな短期間に幾らのnoteが何人に売れたらそんな数字になるの(笑)?

はぁ。。。


まあね、彼らに限らずネットで収益報告している人たちが出す数字は嘘ばかりです。とはいえ、確かにある程度のお金は実際に稼いだのでしょう。


彼の行く末を心配した親切な大人たちがキメラゴンくんに、

「金儲けのやり方を教えると言う金儲けはまともじゃない」

「イケハヤさんとつるむのだけはやめておけ」

と、メンション飛ばしていましたが、キメラゴンくんは忠告には一切耳をかさず、人生の先輩に対しても今の時代を共に生きている同世代に対してもまるでイケハヤさんそっくりの口調で煽り、見下して威張り散らしていました。
その様子を見るにつけ「あぁ、もうこの子は戻れない川を渡ってしまったのだな。あるいは元々向こう岸に生まれた子だったのかもしれない」と、ひやりと冷えるような、やるせなくて悲しいような、ひとひらの雪がふっと頬に落ちた錯覚に囚われました。


私は親切な大人ではないので、キメラゴンくんのような最早救う道の無い子供に何かを語りかけたいとは全く思いませんが、キメラゴンくんに煽られて腹が立っていたり、おかしいとは思うけれど、もしかしたら彼の方が正しくて自分は間違っているのかもと迷ってしまうような、自分に自信が持ち切れない子供や若者たちには語りかけたいと思います。



ゆっくり大人になりなさい



と。
もしもあなたが自ら学費や生活費を稼がなくてもいい恵まれた環境に在るのであれば、お金儲けのことを考えるのは大人になってからでいいのです。
人生は長く、大人になれば自らが生きていくため、守るべき誰かを生かすために嫌でもどうやって稼いで食べていくのかを誰しもが常に考えなければなりません。
だからそんなに急いで大人と同じようにならず、今しかない時間に今しかできないことをして思春期青春期を過ごしてもらいたい。

大人になってからでも勉強をやり直したり学び続けることはできますが、それだけに集中するのは難しくなり、また記憶力や感受性は年齢を重ねるほどに衰えていきます。
ですから、学校に通い勉強に集中出来る環境がある今のうちに出来るだけ多くの知識を得る方が効率的なのです。

義務教育で詰め込まれる知識の重要性は中学生の頃には分かりませんが、大人になればしみじみと分かるようになります。
人は大人になれば自分で自分の身を守らねばなりません。成長しそれまで自分を守ってくれていた家庭や学校という防壁の外へ出た時、自分の身を守る盾は知恵です。
経験を増やしながら知恵がつくまでの間、その代わりとなってくれるのが知識なのです。


だから、勉強や教育を否定するような人の意見を聞く必要はありません。
キメラゴンくんには彼の人生があり、生き方があるのでしょう。それを否定はしませんが、だからといって彼のような生き方を選ばない人が彼に生き方をディスられる筋合いもありません。
彼が常識とされることやルールの押し付けを嫌うなら、それを一人で嫌っているのは自由ですが、自分の考え方をさも正しいかのように振りかざすのは間違いです。


常識とは、お互いに自由を手にする一人一人の個人が、属するコミュニティの中で出来るだけ他者を尊重し、また自分も尊重してもらうための知恵なのです。

そして、何故マナーやルールを守ることが必要なのかといえば、自分の暮らしを守るためです。
私たち一人一人がルールとマナーを守ってこそ、私たちの快適な生活も又守られるのですから。


けれど、世の中には残念ながら自分の快楽と自分の利益のことだけしか考えない、サイコパスやソシオパスと呼ばれる人々がいます。
そうした人々は生まれつき良心というものを持ちません。だから平気で嘘つき、自分の言ったことや自分が引き起こした結果に責任を持たず、自分のせいで他者が苦しんでも心が痛むことがありません。

インターネットで「私はこんなにお金を稼いでいます。あなたも私みたいになれます。お金を稼ぐ方法を教えます」と言って、「お金持ちになる方法」や「成功する方法」を有料で販売しようとする人たちは子供であろうともれなくサイコパスであると考えて間違いありません。
サイコパスは生まれつき他者への共感や社会への責任感が欠落した人間ですから、治ることは決してありません。ただ、自分が彼らの被害者とならないよう距離を置くしかないのです。

ちなみに、サイコパスがその症状を顕(あらわ)にする平均年齢は14歳とされています。キメラゴンくんも丁度そのお年頃ですね。

サイコパスに関わり人生を操られないために、被害に遭わないためにはそのような人間が世の中には存在すると知りましょう。相手の生態やその特徴を予め知っておけば対処方法も分かります。


一般的に彼らは努力を続けることや、組織的に計画された仕事は嫌がる。現実世界で手っ取り早い成功を好み、自分の役割を最小限にする。

朝早くから職場にかよって長時間働くことなど、ほとんど考えない。サイコパスはすぐにできる計画や一回勝負、効率のいい奇襲作戦のほうがはるかに好きだ。
サイコパスが職場で責任ある地位に就いていたとしても、その地位は実際に仕事をした(あるいはしていない)量が判断しにくいポストであったり、実作業は自分が操作した人たちにさせている場合が多い。

そんな場合、利口なサイコパスは時々派手なパフォーマンスをしたり、お世辞や魅力を振りまいたり、脅したりすることでものごとを進行させていく。自分を不在がちな上司やすご腕の上司、あるいはなみはずれた"神経質な天才"に見せかける。

ひんぱんに休暇や休みを取るが、その間実際になにをしているかは謎である。
長続きする成功にとって本当の鍵となる地道な仕事ーこつこつとたゆまず努力を積み重ねること、こまかなところまで目を行き届かせることーは、責任と重なる部分が多すぎる。

残念なことに、この自己制限の傾向は、特別な才能を持って生まれたサイコパスにも見られる。なにかに真剣に没頭することや、毎日訓練を重ねて美術や音楽その他の創造的な力を磨くことは、サイコパスにはまったく向いていない。

偶然による成功がときたま訪れるかもしれない。だが、根気よく情熱を傾けることが芸術家に欠かせないとしたら、大成はしないだろう。結局のところ良心のない者は、人にたいするときとおなじように、自分の才能と接する、才能の面倒をみようとしないのだ。

そしてサイコパスはほとんど常に単独で活動するが、これも一時的には成功しても、長続きしない原因のひとつだ。とことん利己的であるため、彼らはチームプレイが非常にへただ。サイコパスは自分にしか関心がない。


サイコパスについての説明のごく一部ですが、引用元はこの本です。是非読んで下さい。


良心をもたない人たち (草思社文庫)
マーサ スタウト
草思社
2012-10-04



そして、こちらの本も一度読んでおけば、仕組まれた罠に引っかかることが減るでしょう。

影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか
ロバート・B・チャルディーニ
誠信書房
2014-07-10



他人の心をどう動かすかを知れば、その手法を悪用したくなるかもしれません。
誘惑にかられたら、十二国記シリーズを読んで「人の道」とは何かについて考えてみて下さい。





長編ファンタジーを読むのが苦手な場合は、十二国記のアニメ版を見るだけでもいいですよ。この作品はアニメもよく出来ていますから。


基本的なことですが、そもそも情報商材の中身はどういうものか、どのような仕組みでお金を集めるのか、何故そうした商売が間違っているのか、そのような商売がどういう危険と隣り合わせかについて知らない人は、闇金ウシジマくんの30巻〜32巻に掲載されている「FA(フリーエージェント)くん編」をお読みください。

情報商材屋が販売しているのはお金儲けの手法ではありません。この漫画で描かれている通り「お金が儲かりそうな雰囲気」なのです。





ネットで名前や顔を出して安易なお金の稼ぎ方をしていると、いずれは半グレや反社の人間に目を付けられることにもなるでしょう。
悪党を倒すのは正義だとは限りません。より凶悪な悪党の暴力によって始末されてしまうかもしれないのです。


もうじき冬休みが終わり学校が始まりますね。
世の中には様々な事情からどうしても学校へ通えない子供も居ます。止むを得ない場合は行かなくてもいいでしょう。
けれど、どうしても学校に通えない事情が特に無いのであれば、学校には通うべきです。


物事を考える能力は、生まれつき備わっているものではないし、誰かに教えてもらって1日で身につけられるものでもない。自分を理解してくれる人たちに囲まれ、人から影響を受けたり、希望を抱いたり、何かに挑戦したりする中で、だんだんと身につけていくものだ。想像力を得るには、それなりの訓練が必要だ。

その訓練の場はどこなのか。それが、学校なんだ。

学校は偏差値を上げるために勉強をすることだけが目的なわけじゃない。社会に守られた環境の中で、いろんな生徒たちと意見をぶつけたり、夢を語ったり、何かを成し遂げたりすることで、多様な能力を養っていく場でもあるんだ。
学校生活を通じて身に付けるのは次のようなことだ。


・学校という社会の中で居場所の見つけ方や自己主張の仕方を学んでいく

・いろんな家庭や仕事や人を知り、自分にとっての夢や理想を見つける

・困難の壁が立ち塞がった時、誰に助けを求め、どうやって乗り越えるかを知る

・自分だけでなく、他人を思いやる気持ちが、最終的に自分を救うことに気づく



学校とは単に学力を身につけるだけでなく、社会で生きていくためのスキルを身につける場なんだ。


以上はこちらの本からの引用です。





イケハヤやキメラゴンくんの言うことなど、無視して下さい。
彼らの戯言を真に受ける必要はありません。もしも彼らの煽り文句に心が乱れて、迷いそうになったら上記にお勧めした本を読んでみて下さい。

知識をつけ、自分なりに考えて下さい。
2020年、良い年にしましょうね。