◆もっと問題を掘り下げて発信して欲しい


ここのところ寒さが緩んで比較的暖かい日が続いています。みなさんがお住いの地域はいかがでしょうか?
今年は冬が来るのが遅いとか暖冬だとか言われてますがどうなのでしょうね。

さて、1年の半分が夏の陽気だった高知から1年の半分が冬みたいなところへ来てしまったので、近頃の私は迫り来る寒さに備えて冬支度に余念がありません。
衣類、寝具、暖房器具はほとんど揃いました。
そして、四十路になってからというもの体力の衰えが著しかったのと、ここで過ごす冬の寒さに負けないように筋肉量を増やそうという思惑から、しばらく前から筋トレを始めたのですよ。

でね、トレーニングしながら夜のニュースを見るようになったのです。


元々ニュース番組は好きで、朝は余裕があれば7時からNHKの「おはよう日本」を見ます。
お昼は家に居れば11時半からの民放ニュースを見ています。
夕方5時以降も家にいる時は洗濯物を畳んだりなどの家事をしながら民放のニュースを見て、7時からはNHKの「ニュース7」を見るのがベーシックな流れです。

ニュースって一日中見ててもネットウォッチングと同じで飽きないんですよね。
事件も事故も政治も経済も全て、今を生きてる人間がしでかしていることじゃないですか。人間の愚かさとか不完全さが日々の問題を作り出しているのであって、そういう人間の営みって面白くて興味が尽きません。


筋トレを始める前は、私が見る1日のニュースの締めは「ニュース7」だったのですが、筋トレ始めようと思い立ったちょうどその頃私の好きな有働由美子さんが「ニュースZERO」のメインキャスターになったので、夜11時台からのニュースを久しぶりに見るようになりました。

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有働さん、好きなんですよね。素敵な年齢の重ね方をしている自分より年上の女性を見ると励まされます。


うーん、でも、なんだろ…、この日に日に辛くなってくる感じ…。

ZEROは有働さんを迎えて始まったばかりの頃は面白いと思えました。LGBT問題や女性に対する性暴力にこだわる姿勢にも共感できました。それらの問題は私にとっても強い興味がある分野ですから。

でもね、例えそれらの問題が絡んでるからといって、「それがトップニュースでいいの?」っていうニュースのチョイスはどうなのだろう。
「いやいやいや、今日はもっと大事なニュースあったよね?なのに、それトップに持って来ちゃう?つーか、長い。長いよ。話が浅いまま無駄に長ぇよ」

ってツッコミが止まらない。 ̄ー ̄)ノ


まとめが

「みなさんはどうお考えでしょうか?」

じゃなくってね、やるならやるでもっと番組として深く掘り下げて、有働さん独自の見解も聞きたいのです。



おーい、掘削機もってきてー!!!



って叫びたくなっちゃう。ドリルでもいい。問題として取り上げるのであればガリガリ掘り下げて欲しい。
そんなスコップで地面の表面ほじってるみたいな取り上げ方じゃ、全っ然掘り下がってないから物足りなくてモヤモヤしちゃう。


私にとって夜11時台のニュースといえば「筑紫哲也のNEWS23」ですよ。
中学生の頃から好きでずっと見ていました。
筑紫さんのニュース解説や見解は、強く印象に残り今でも覚えてるものがあるほどです。


そんなことをブツブツブツブツぼやいていたら、夫が言いました。


「有働さんを筑紫さんと比べるのは可哀想だよ。筑紫さんは朝日新聞で長く記者を務めて朝日ジャーナルの編集長もしていたような人だけど、有働さんは現場の取材経験が新人時代とNY特派員時代くらいのものだろ。
あの人は基本的にずっとアナウンサーなんだよ。筑紫さんとはキャリアが全然違う。
有働さんはあくまで「ニュースを読める人、ニュースを伝えることができる人」であって、アナウンサーとして評価してあげなくちゃダメなんだ。
だからニュースチョイスのセンスだとか、掘り下げる力を問うのは可哀想なんだよ。

メインキャスターが有働由美子になったところで、ZEROのスタッフが変わったわけじゃない。取材チームも編集するやつも変わってないんだから面白くなるはずがないよ。そこは元々弱いとこなのだから。
NHKの取材力と現場スタッフの力があってこそ「あさイチ」だって面白かったんだ。NHKと比べるのも可哀想だよ」


ぐぬぬぬぬぬぬ。ぐうの音が引っ込んじゃった。


それでも私は有働さんに「何か」を期待することがやめられなくて、一応ZEROの視聴はゆるく続けているのですが、ここ数日は流石に私も心が折れそう。
ニュース番組としてはどうしたってつまらないので、
最近筋トレのお供にはZEROじゃなくてNHKの「ニュースウォッチ9」を見ることが多くなってしまいました…。

どうやら視聴率も低空飛行を続けているようで、日テレもいつまで有働さんをメインキャスターに据えておくかはわからないですよね。

どうせ低視聴率ならやぶれかぶれでもっと攻めた特集でもして欲しいなと思います。


なんならZEROで、じゃなくてもいい。いつかZEROを降板した後にマツコさんあたりと冠番組を持って、そこでLGBTや性暴力について攻めた掘り下げ方をして欲しいです。

そんなわけで有働さんには今後も引き続き期待を寄せております。



さて、性暴力について関心があると申し上げましたが、先月目にしたこの記事がずっと引っかかっているんですよね。


こちらは朝日新聞の記事なのですが、女子高校生が興味本位にTwitterでフォローしたAV男優からダイレクトメッセージをもらい、それに返信したことからやりとりが始まり、上京したばかりの淋しさと有名人に会ってみたい好奇心から誘いに乗ると、AV出演強要の被害にあってしまったという内容です。

記事がアップされた時点では朝日の会員登録をすれば無料で読めたのですが、時間が経過したためか現在は有料記事に変わっていますね。

調べてみたら朝日系列のネットメディアwithnewsに、同じ女性についてもっと詳しい内容が掲載されていました。無料で読めますので、こちらをどうぞ。

こちらから→AV強要「未成年の被害者」会って数時間えデビュー「逃げられない」


被害女性を騙したのは、約2年半前の時点で30代で、テレビにも出演経験があり、TwitterでファンとやりとりをしているAV男優さんだということで、私は最初にブロガーのはあちゅうさんの夫であるしみけんさんを思い浮かべてしまったのですが、逮捕歴のある人だそうですのでしみけんさんではありませんね。


はあちゅうさんといえば、アメブロで「旦那観察日記〜AV男優との新婚生活〜」という新しいブログを始めたようです。
はあちゅうさんの強みは、若くない私には良さがわからないものの「若い女性に刺さる言葉」を操る名人であるところだと認識していました。
なので、新しいブログが「彼女の得意とする言葉」を使ったものではなく、ものすごく簡素なイラストで4コマでもない漫画風なものであることに衝撃を受けました。


30歳を過ぎ、成熟も自立もしているはずの大人の女性であるにも関わらず、自分を幼くかわいいマスコット風の動物に見立てて表現していることにも衝撃を受けました。
よほど自己愛が強くないと自分をあんな風には描けないと思いますし、その表現力は「これは女子中学生が描いてるノートの落書き」と言われても頷くレベルです。


大好きな人と結婚できた喜びにあふれているのか、相手がAV男優ということで世間から嘲笑されたことがよほど悔しかったのか、とにかく「私たちはこんなに幸せです」「旦那がAV男優っていいネタでしょ」と世間に向かってガンガンに発信していないと気が済まない、そのどす黒さを感じるほどの強い自己主張にも圧倒されたじろいでしまいました。

ちょっと覗いたでも衝撃波の連打を浴びます。

「ブロガー」や「ライター」としては迷走している感が否めませんが、ともかく一人の女性として「幸せになる」という強い意志だけは感じました。
つつがなく幸せな新婚生活を送られているようで良かったです。


はあちゅうさんは#MeTooで世間の矢面に立った人です。私も彼女が被害を告発した当初は全面的に応援していました。
だからこそ童貞をバカにした過去の発言をめぐる彼女の対応には失望しましたし、今も女性に対する深刻な人権被害が野放しになっているAV業界で活動している男性と結婚したことも、しゃあしゃあと「AV男優観察日記」などというブログを書いていることにも首をかしげてしまいます。


つい先日発売されたこちらの本が面白そうだったので、取り寄せて読んでみました。





第4章「セクハラ」の項目に、はあちゅうさんのインタビュー記事が掲載されているのですが、これを読んでも彼女は一貫して被害者です。「自覚のないまま自分も加害者になってしまったことがある」とは絶対に認めず、反省の弁もありません。
自分の主張が理解されないのはあくまで理解しない側の問題であり、自分に問題はないとの考えが伝わってきます。

セクハラやパワハラに関しては、多かれ少なかれ誰もが過去に被害者であったことがあり、また加害者でもあったかもしれない。
だからこそ誰もが向き合うべき問題なのではないのでしょうか。

私がこの問題に興味があるのも、私自身の過去を振り返って「私の意識は間違っていたのだ」「まずは自分自身に刷り込まれてきた意識を根本から変える必要がある」と受け止めているからです。


例えば、私の若い頃にお気に入りだった映画に「ぼくの美しい人だから」というラブストーリーがあります。



ぼくの美しい人だから [DVD]
ジェームズ・スペイダー
ジェネオン・ユニバーサル
2012-04-13



ハンバーガーショップで働く底辺労働者である43歳の中年女性ノーラと、ユダヤ人エリートである27歳の青年マックスが恋に落ちる物語なのですが、二人の関係はバーで酔いつぶれたマックスをノーラが自宅へ連れ帰り、意識を失い寝ているところを無理やり犯すところから始まるのです。

初めはセックスに夢中になるのだけれど、やがてお互いに向き合い、次第に自分たち自身の人生をそれぞれが見つめ、最後には手を取り合うというハッピーエンドの物語です。

主演のマックス演じるジェームズ・スペイダーがギリシャ彫刻のように美しいのと、ノーラを演じるスーザン・サランドンがセクシーで魅力的であった為に、問題のシーンも美しく、素敵な映画だと思っていました。

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けれど、今になってよく考えたらおかしな話です。
犯される側の性別や年齢はどうあれ、レイプは被害者の人生を損なうものに違いなく、レイプから始まる恋愛も、レイプから育まれる純愛もありえません。
なのにどうして私はあの映画を素敵なラブストーリーだと思ったのでしょう。
どうして襲うのが女性で、襲われるのが男性であれば「レイプ」だと考えなかったのでしょう。


私がまだとても若かった頃には、セクハラやパワハラという言葉はまだありませんでした。そう名付けられる概念が無かったからです。

性の問題には性別に対する意識の問題も複雑に絡んでいます。
私は息子の子育てにおいても、女の子の身に起これば大騒ぎすることでも、「男の子だから大したことはない」と見過ごしてきたことがありました。


セクハラやパワハラが問題として認識されるようになる以前は、自分が傷ついた出来事も「当然のこと」として受け入れなければいけませんでしたが、その一方で自分もまた悪気なく誰かを傷つけてきたのです。無意識の振る舞いによって、無自覚なままに。

すでに過ぎてしまった過去は今更変えられません。けれど、これから先の未来は意識を改めて生きなければならず、その為にはまず「何が暴力なのか」を知らなければならないと思うから、こうした問題に興味をもって情報を集めています。


はあちゅうさんは旦那さんのお仕事を肯定的に捉え、彼の仕事に対する姿勢を尊敬しておられるようですが、AVは上記のような出演強要問題が解決されておらず、現状では女性への人権侵害の巣窟である以上、肯定される業界でも尊敬すべき仕事でも無いはずです。

#MeToo運動の際にセクハラとパワハラの被害者として声をあげ、後に人気AV男優を夫にしたはあちゅうさんだからこそ、パートナーの今の仕事の在り方ややり方を認めるのではなく、彼の仕事の何が問題なのかを話し合い、そこで深刻な被害に遭ってしまった女性に寄り添った発信や、解決に向かわせる行動がとれるではないでしょうか。

AV業界が若い女性を騙す形で出演させて、搾取した上で短期間に使い捨てるのではなく、自らなりたいと望み、誇りを持ってその仕事に従事している女優さんたちを長く大切にする健全な性産業になったら、AVに対する世間のイメージも自然と変わるように思います。
今のように痛々しいほど必死に幸せをアピールをしなくても「素敵な方とご結婚されましたね。羨ましいです」と、祝福を受けるようにもなりますよ。


はあちゅうさんは本のインタビューの中で、

「ハラスメントを減らすには、被害者が声を上げるだけでなく、周りの存在もカギになります。
おかしいと思ったらその場で声を出して、傍観者にならないで」

と言っておられます。

「私は『MeTooの人』でありたいわけではないけれど、10年後、20年後にあの時が変わり目だったねと言える社会に変える為に、何らかの貢献ができればと考えています」

とも仰っています。

他人に求めることはまず自分が実践しなければ他人はついてきません。
時代を先取りし、自分の人生をコンテンツにするという新しい生き方を体現しているはあちゅうさんの考える「貢献」が、今後どういう風に形になっていくのか、期待したいと思います。