■花嫁のれん

どーもお久しぶりです、こんにちは。
色々な理由とご縁と事情があって先週から今週にかけて石川県に行っておりました。

四国から北陸、遠いですよね。遠かったです。

夫とご縁の深い方々にご挨拶へうかがう旅でしたが、昨年から早く行かねばと言いつつ延び延びになっていたので、ようやく行けて、無事にご挨拶もすませ、一つ肩の荷が降りたように感じています。


今回おとずれた石川県の七尾市では、花嫁のれん館をたずねました。
公式HPはこちら→花嫁のれん館

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花嫁のれんとは北陸の商家に伝わる婚礼儀式です。
花嫁の実家が加賀友禅ののれんを用意し、花嫁は婚礼の日、嫁ぎ先の仏間にかけた暖簾をくぐって仏間にお参りするのだそうです。

のれんには二つの意味があって、のれんが風になびくように花嫁が婚家に馴染みますようにという意味と、嫁ぎ先の敷居をまたぐ時に後戻りしない結界の意味があったそう。
たとえ馴染むことができなくても里へ帰ることはまかりならんということですね。のれんは美しいけれど、のれんをくぐったらもう戻れないなんてなんだか窮屈です。

私は離婚経験者なので、のれんをくぐっても後戻りができて、実家へ出戻っても後ろ指指されない時代に生まれてきて本当に良かったと思いました。


のれんは大正時代のものから展示されていましたが、古い時代のものほど男性の好みが重んじられ、素材が質素で、色、デザインが野暮ったく重々しいです。

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やがて時代が昭和後期〜平成へ移ると、次第に女性の好みが重んじられるようになり、明るい色に軽やかで華やかなデザインののれんが好まれるようになります。女性の地位向上の歴史を見るようですね。

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花嫁のれん館では婚礼衣装を着て花嫁のれん体験ができます。
予約制で、一人につき3千円。追加料金2千円を払えば衣装を着替えることもできます。
せっかくなので夫にも紋付袴を着てもらい、私は白無垢に色打掛と2種類の衣装を着ました。

白無垢は光沢の強い純白の衣装か、落ち着きのあるアイボリーホワイト(象牙のように黄身がかった白)が選べます。40代なので落ち着きのある色の方が良いかもと迷いましたが、「せっかくなんだし…」と思い切って純白の白無垢を選びました。
純白のウェディングドレスはもう似合わないけれど、着物ならまだ真っ白くてもいいんじゃないかな、なんて。

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色打掛は3種類から選べました。朱色のと、真っ赤なのと、私が着た赤を基調に柄の華やかなものです。
こちらも「せっかくなんだし派手なの着ちゃおっかな」と思い選びました。

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事前に読んでいた記事には洋服の上から花嫁衣装を羽織るだけの簡易着付けと書いてあったのですが、意外にしっかり着付けをしてくださり、思っていたよりも本格的でした。
2回も着付けをしてくださって5千円は安い。

私は夫と訪ねたので夫婦で写真を撮りましたが、この体験は一人でもいい思い出になると思いました。
だって、結婚していてもしていなくても、女性であれば一度くらい白無垢や色打掛って着てみたくないですか? 

あるいは、結婚式ではウェディングドレスとお色直しにカラードレスを着たのだけど、和装も良かったなぁなんてお考えの方だって居るでしょうし、結婚なんてまだ考えられないけどお嫁さんの気分になってみたい若い女の子にもいいですよね、こういうの。


館内には企画展で婚礼衣装も展示してありましたが、どれもサイズがとても小さいんです。
昔の女性は現代の女性よりも小柄だったことに加えて、15歳前後でもうお嫁入りしたので、体が出来上がる前でまだ小さかったんですね。 

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そんな歳の頃に「引き返せない」結婚をして、好いても好かなくても、馴染んでも馴染まなくても、帰れず出られず行き場のなかった当時の女たち。 
けれど男性だって嫁が気に入っても気に入らなくても、仲が良くても悪くても責任を負ったので、窮屈さは女と変わらなかったのかもしれません。

今は好きになる人は選べるし、あえて選ばずに一人でいる自由もある。
子供を産むのには年齢の限界があるけれど、結婚は50代や、80代で初婚でもかまわない。失敗したと思えば別れてやり直せるし、近頃では同性婚も許される。つくづくいい時代です。

 
今になって過ぎた日々を思えば、1度目の結婚をして母になったものの、20代ではまだ私自身が大人になりきれていない中途半端な子供でした。
30代になってようやく大人の階段を上り、40代になって階段の踊り場へ出ました。これからようやく「成熟」の階段を上ろうかというところです。

今より若い頃のドレス姿も悪くないけれど、精神の成熟度では今の方が「結婚」に見合っていると感じた41歳の花嫁でした。


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