■美人になるかどうかは死ぬまで分からない

幼少時代は並外れて優れているように見えても、成長するにつれて平凡な人になってしまうことの例えを


 十で神童、十五で才子、二十歳過ぎればただの人


などと申しますが、これは美少女にも言えることだよなぁと思います。


子供というのはただ子供であるというだけで、顔の造作はどうあれ可愛らしいものです。 けれど中にはまるで人形のように目鼻立ちが整っていて、ハッとするほど可愛い子供もいます。

そういう子は将来一体どんな美人になるんだろう、芸能界デビューしちゃうのかしら?なんて思いますが、実は子供の頃にドギマギするほど綺麗な子って意外とキレイな大人にならないんですよね。
不思議です。


私が小学生だった頃に、お母さんがオシャレさせてて綺麗で華やかで、「いったいどんな美人になるんだろう?こういう人の人生はこの先もずっと華やかなんだろうな」と思っていた女の子は、二十歳になる前にはすでに垢抜けない普通の女の子になっていて、再会した時には心底驚きました。

中学生や高校生の頃に周りの空気までがキラキラと輝いて、後光が差しているように見えた美少女は、「こういう綺麗な子はきっとすごい人に見初められて玉の輿に乗るにちがいない」と思っていたら、ぱっとしない相手と結婚してすっかり地味なおばさんになっていたりします。

あるいは目を引く美少女だったばかりにタチの悪い男に目をつけられ早々にくっついて、中年になった今では薄汚れてパサパサに乾いた年増になっていたりもする。


「みんな美少女と言われていた頃の美しさを一体どこへ置いて来ちゃったんだろう?」と不思議でしょうがありません。


一方で、子供の頃はごくごく普通で特に印象に残らなかったような女の子が大人になると、自分の魅力を引き出す方法を心得てゴージャスな美女に変貌を遂げており、ぶったまげることがあります。

また、特に美人というわけでもなかった普通に可愛い女の子が、いつのまにかお金持ちで素敵な旦那さまと結婚し麗しい奥様に変身していたりして、全身にお金がかかった清潔な美しさと生活に余裕があるからこそ醸し出される若々しさや色艶に圧倒されることもある。

眩しくて目が眩みそうになりながら、「彼女たちは磨けば光る玉だったんだなぁ」とため息が出てしまいます。
人生って分からないものですね。


だから子供の頃の様子でその子が将来どうなるかなんて全然分からない。
私は今40代だけれど、きっとアラフォーの今美しい人と60歳や80歳になる頃に美しい人はまた違うのだろう。
若い頃には美人でなかったけれど、若さがすっかり失われ元の顔の作りさえももはや関係なくなり、生き様が顔つきと立ち振る舞いに表れて美しくなる人も出てくるに違いない。

女が美人になるかならないかは、死ぬまで分からないものなんだろうな。

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