■女の一生

たった今思い出しましたが今日は七夕ですね。織姫も彦星も関係なく空の星も見上げず何のロマンも無い日常の夜を過ごしております、コンバンハ!

毎年近所にある老舗の和菓子屋さんで七夕にちなんだ上生菓子を買って、ほんのりと七夕気分を味わうのですが今年はすっかり忘れてました。
暑さのせいです。あぁ、太陽がいっぱいだ。。。




さて、夫に「書評書いたら」と言われていたのでやる気があるうちに書きます。はいはい、書きますよーっと。


読んだのはこちら↓


魂の退社
稲垣 えみ子
東洋経済新報社
2016-06-09



元朝日新聞のアフロ記者さんです。在職中に担当していたコラムが人気を博したようですが、私はアフロさんが退職後にテレビでお見かけしたのが初めてなので最近知った方です。
稲垣さんは結婚経験がなく子供もいない、そして現在は無職。
けれど、明るく前向きでチャレンジングに生きている女性で、
この本は現在50歳の彼女がこれまでの人生を振り返って綴った一冊です。

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彼女が幼少期から思春期に生きたのは高度成長期。青春時代や新社会人時代はバブル全盛期といった最も恵まれた世代です。そんな時代にいい学校を卒業し、高給がもらえるいい会社に入ったのですから、当然のように生活は贅沢です。


私は40歳なので、10歳違えば世代が違いどうもバブル世代の消費欲というものは共感できません。友人たちとの付き合いの中でも、10歳上とまでいかず5歳年上なだけでも消費に対しての感覚は私と全然違うなと思いますから。


毎月お気に入りのブティックで山盛りの洋服と靴を買い、化粧品もどんどんランクの高いものに手を出し、10日に一度はエステに通い。
どうしても仕事の都合上夜が遅くなるので毎晩外食。やたら高いワインを飲んで豪遊し、太らないためにスポーツクラブへ通う。


ザ・バブルを体現してますね。

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これではお給料がいくらあっても足りなさそうですが、買い物しようにも欲しいものが無い香川県での地方勤務を経て贅沢とは縁が切れ、自らを反省した勢いで退社後はミニマリスト生活どころか電気を使わない原始的な生活を実践してしまう極端なあたりが女性らしいです。

私も歴代の彼氏や夫たちから、「キミはどうしてそう極端から極端に振れるんだ!」と困惑されてきましたが、女の人って多かれ少なかれそんなもんじゃないですか?


そして、女らしいといえば、女性の人生はその時々の時代の空気にどうしても流されやすいというところ。
生きた時代の社会や家族の都合で教育も受けさせてもらえずこき使われたり、ひたすら産めや増やせやと言われたり、結婚したら家庭に入って専業主婦で子育てに専念しろと言われたり、子供は産まなくていいから男と同じように勉強して男並みに稼げと言われたり、家事も育児も仕事も全部しろと言われたり、本当に世の中はその時々で女性に求めることがめまぐるしく変わります。


今の時代の女たちは昔に比べたらワガママと自由が許されるようになったけれど、主体的に生きているようでいて実は流されながら頼りなく生きているのではないでしょうか?


女の一生 (新潮文庫)
モーパッサン
新潮社
1951-02-22



おっと長くなったので続きは明日。おやすみなさい。