■第一回うずまき寺子屋(ゲスト:夏葉社代表・島田潤一郎さん)

知る人ぞ知る秘境の本屋、うずまき舎さんに初めてお邪魔してきました。
オーガニックマーケットに出店されているので、名前だけは知っていたんですけどね。訪ねたことはありませんでした。

こっ、こんなところに本屋があるのか…。というより、本屋じゃなくてもこんなところに店があるのか!Σ(゚д゚;)

という驚愕の立地でした。。。

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しかも本屋なのに取り継ぎを通さずに直接出版社から買い取りとか、経営の仕方も色々と型破りでびっくりしました。


さてさて、本日うずまき舎さんを訪ねたわけは、私の敬愛する夏葉舎の島田潤一郎さんが来ていたからです。
うずまき舎さんが主催で、「自分の仕事を作る」というテーマでうずまき舎代表の村上さんと島田さんがお話をされるというイベントでした。

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夏葉舎さんについてはこのブログでも何度も書いていますが、私は島田さんの著書「明日から出版社」にいたく感銘を受けたのです。



2010年の5月、「レンブラントの帽子」を刊行して間もなかったこの時に、日本でも、iPadがリリースされようとしていた。このアップル社のタブレッド型PCの到来をもって、いよいよ電子書籍の時代がはじまるのだ(つまり、紙媒体は消え去っていくのだ)、とすくなくない人たちがいっていて、ぼくには、それがどうしても腑に落ちないのであった。 

ぼくは、本が好きで、本に何度が救われてきて、それが、「便利で」、「早くて」、「邪魔にならない」という言葉とともに、過去のものにされようとしている。 

便利で早くて、邪魔にならないのはいいけれど、本の、文学の一番の魅力は、その対極にあるのであって、本をいそいで手に入れて、急いで読まなければいけなくて、ましてや生活のなかにおいておきたくないのであれば、そもそも、本なんて必要ないのだ。 
 




私はこの文章を読んで、救われる思いがしました。→読書のすすめ・「明日から出版社」
以来島田さんのファンです。

だから、今日は好きな人に会いに行ったのです。


そういうわけなので、「仕事を作る」というテーマなんて正直どうでもよかったのですが、結果的にはいいお話が伺えてとても良かったです。
自分がもやもやしていたことがすっきりしたように感じました。


刺さったのは、島田さんの以下のお話です。


「マニアックなことをしていると、どうしてもコミュニティーができてしまうんです。そのコミュニティーは居心地が良いかもしれないけれど、その中に居てはいけない。
なぜなら、コミュニティーの中は批評を許さない世界です。

お互いを褒めあい、「これは良くないね」と意見するどころか、「まあまあいいね」と言うことすら「ディスった」と受け取られて許されない。
そしてお互いにお互いの商品を買い合うんですよね。そうやって経済が完結できればそれもいいのかもしれないけれど、ものすごく閉じた世界の中で仕事を続けていくことはできないんです。」


そうなんですよね。私が違和感を感じるのは、このようなコミュニティなのです。
「仲間」というグループの中で、お互いにお互いを褒めあい紹介しあうことを「高め合う」と言い、商品を互いに買いあうことを「循環」と呼ぶ。
本当にいいと思っていないのに褒める。本当に欲しいわけでは無いのに買う。そして自分の商品も買われていく、本当に欲しいと思われてはいないのに。

果たしてそれが「仕事」なんだろうか?


漠然と感じていた違和感を、島田さんがご自身の経験から実感のこもった言葉でお話してくださったので、このことが聞けただけでも参加して良かったと思いました。


夏葉舎さんから出版される本は、どれも地味です。
地味だけど、滋味深いです。ベストセラーじゃないけど、良書です。

本が好きな人が作った本です。
言葉の垂れ流しではありません。言葉が紡がれているのです。


島田さんは、「出版社は儲からない」と言います。

「だけど、僕は1の価値のものをまるで100の価値があるように見せかけて売ることはできません。そんなことはしたくもない。1の価値のものなら、それをありのまま1の価値だと伝えて買ってもらいたいのです。
1のものを100の価値に見せかけて売ることが一般的な売り方だと思うのだけど、そんなやり方をしていたら、いつか信用を失う日がきます。」


とても共感しました。私も、1のものを100だと言って売ることはしたくない。



今日はうずまき舎さんで、島田さんが初めて作った本「レンブラントの帽子」を買って帰りました。

レンブラントの帽子
バーナード・マラマッド
夏葉社
2010-05



島田さんの著書「明日から出版社」を買い求めてサインをもらっている方々もいましたが、私は島田さんのサインは要りません。

私は、島田さんには本にサインしてくれることを望むのでは無いのです。

私は島田さんにはこれからも本を作り続けて欲しいのです。

そして、島田さんがお作りになった本を、私はこれからも買い続けたいのです。

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島田さんの作る本が好きです。