■すべては基礎があってこそ

先日東京ビッグサイトへ遊びに出かけたのは報告済みですが、私は実際遊びに行ってみてminneを見直しましたよ。
素敵なクリエイター作品もあったし、買い物はあまりしなかったけど、購入にはいたらずとも面白いな、レベル高いなぁと思う作品たちがありました。いいなと思った作家さんたちとはいっぱいお話しもさせてもらいました。


「ハンドメイドで生活していけますか?」

と不躾(ぶしつけ)な質問をぶつけてみたら、

「普通に月100万円以上は売れてますよ。材料費は1割以下に抑えるようにして作ってるんで、余裕です。」 

という答えを返してくれた作家さんもいました。



月商100万越えですよ、奥さん!

本物の売れっ子作家ですね!(* ̄∇ ̄*)




しかもその作家さんはSNSも真面目に更新してないし、ブログなんぞ書いてません。
そんなことしなくても売れているし、売れすぎてそんなことしてる暇も無いんでしょう。


どうやって売れたのか聞いてみたら、minneとかのハンドクラフトサイトに作品登録して、こうやってイベント出てるだけだそうです。
初めて出たイベントで百貨店のバイヤーさんたちからどんどん声がかかって、あちこちからの「うちにぜひ出店してください」というオファーをこなすのにめちゃくちゃ忙しくなって、ハンクラサイトでも毎日作品が数点売れていくし、寝ないで作っているけど全然間に合わないそうです。


そうだろうなー。作ってるものが素敵だもん。ついでに作家本人の雰囲気と器量もいいしね。←そりゃブサイクより器量良しがポイント高いですよ(/ω\)



他の作家さんからも、

「何もしてないです。minneに作品を出したらバイヤーさんからメッセージが来て、そこから注目されて…。」

という話を聞きました。


うん、分かる。その人もレベル高いの作ってる。



色んな作家さんたちとお話しさせてもらって、作品を見て、作品に力がある人たちは、何もしなくてもどんどん声がかかるし売れていくんだということが分かりました。
裏を返せば、「売れない…」のは、ただ単に売れるレベルの作品が作れていないからだと言うことができます。


そんな本物の売れっ子作家さんたちとお話しさせてもらって、私の気づいたことがもう一つ。
今回私が声をかけたのは、揃いも揃って美大芸大出身者でした。

最初に学歴で選別はしていません。
「あぁ、この人の作品はいいな」と思って、作品をじっくり見せてもらったり買い物をした後に「もしかして美大か芸大出てますか?」と聞いてみたら、全員がそうだったのです。



何故そう思ったのかというと、何となくだけどどうしてもです。
構図の構成力、色彩の構成力、デザイン性や制作能力に、付け焼き刃では無いものがある。


あぁ、そうなのだ。結局は基礎力なんだと思いました。


別に美大芸大なんぞ出ていなくてもいいのですが、人生のどこかの地点で知識や技術を体系的に学んだ経験があるか無いかの差が、作品を見れば分かってしまうのです。


先日ある作家さんの作品をネットで購入したところ、イメージでしか分からないネットの難しさもあるのですが、届いたものは素人作品でした。誰からも教わったことがなく独学ということだったので、実際に手に取ってみると専門的に磨かれたセンスとスキルが無いことが分かってしまう作品でした。

私には知識の無い分野の作品でしたが、素人目にもこれはおかしいなと思ったけれど、その分野で目の肥えた方やプロの方にも見てもらったら、「何でこんなの買おうと思ったの?」と笑われてしまうレベルだったのです。


結局は作品なんですよね。そこに力があれば売れる。無ければどんなに素敵な情報発信をしていても、やがてメッキがはがれてしまいます。



私はminneのイベントに遊びに行ってみて、「minneいいなあ。」と見直しました。
本当に力量のあるクリエイターはちゃんとそこから売れていって、月商100万越えとかにもなるんです。それなりのお値段がする作品でも売れていましたよ。
minneは無名のクリエイターにチャンスが開かれている場所なんだと考えを改めました。

 


でも、じゃあ今から始めて、そうやってすぐ売れるのかといえば、それはちょっと難しい。
私がお話しした本物の売れっ子作家さんでも、「minneでは売れにくくなった」と言ってました。
何せ登録クリエイターと作品数が多すぎて競争が激しくなりすぎています。今は、ものづくりが別に好きなわけじゃないけど誰でもできる小遣い稼ぎという幻想を抱いて市場に参入してくる作家さんが多すぎるので、本来売れる力がある人たちでさえ埋もれてしまう。
「誰でもできる」「誰でも売れる」のが幻想であることに早くみんなが気付いて、作家数が減るといいですよね。



ハンドメイドビジネスは誰でも始められるけど、誰でも売れるわけじゃ無い。


ハンドメイドが本当に好きで、これを仕事にしようと思うのなら、今から数年はじっと耐えるときかもしれないと思いました。
じっと耐える間に何をするかといえば、コツコツ知識と技術と専門性を磨くのです。知識を蓄え、腕を磨くという、伝統的で古典的な努力が最も有効です。


SNSやブログでの情報発信は利用すべき、特に高知のような辺境の田舎に住んでいる作家はネットを活用するべきだと思いますが、それも基礎力があってこそ活きてくるテクニックです。

今から美大芸大に受験を突破して入学することは現実的でなくても、絵画教室や専門学校はどの地方にもあるだろうし、美大芸大は通信教育だってあるし、その道のプロの職人さんに教えを請う方法は探せば何かしらあるはず。
ハンドメイドの世界といえども売れっ子作家やプロクリエイターを目指すなら、完全な独学には限界があります。


そんなのはハードルが高すぎると思うのであれば、別にそんな世界は目指さなくたっていいのではないでしょうか。そもそもハンドメイドの楽しみって、売れる売れないとかそういうことだけじゃないですよね。

その話はまた明日。