■写真の中の女達

高知県立美術館で開催中の篠山紀信展に昨日ようやく行って参りました。

展示されている作品のモデルは誰もが知る著名人がほとんどでしたが、私が特に心引かれたのはこの1枚。

大原麗子さんの遺影です。


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元々遺影の為に撮影された写真ではなかったのでしょうが、後に整形手術の失敗によって美貌が崩れたと噂される彼女がまだ美しかった最後の頃に撮られた1枚が遺影となったなのでしょう。

何故この写真にそれほど心捕われたかと言うと、少し前に大原麗子さんの親族により晩年の困窮生活が明かされる番組をたまたま見たからです。


大原麗子さんは女優として成功し自分の夢を叶えて豪邸を建てたものの、やがて人気は凋落し収入が途絶え、宝飾品のほとんどを売り払ってなお日々の生活に困っていたそうです。
実は病にも冒されていたこと、再起をかけた整形手術に失敗し女優生命が絶たれたこと、失意と孤独の中でひっそりと死を迎えたことなどが赤裸々に明かされていました。

しかし写真の中で艶然と微笑む彼女の美しさといったらどうでしょう。見とれるばかりです。


各界の著名人の写真が並ぶ中で、他にも夏目雅子さん、天地真理さん、原紗央莉さんなど、過酷な運命を辿った女性達の写真に私は強く惹かれました。

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人は若く美しい絶頂期のまま生きていくことは出来ない。年齢を重ね、ゆっくりと不幸になっていく。

写真におさめられた彼女達の微笑みや眼差しが私の心を捕らえるのは、その後に起こる悲劇を知っているからに相違ありません。

絶頂期の彼女達が美しければ美しい程、その生き様が悲壮であればある程に、彼女達の人生の一瞬が切り取られた写真はより儚く美しく、私の心に深く染み入ってくるのでした。