■ハンドメイドのハの字も知らない大人が群がり始める


その世界について全く何も知らないが、お金儲けにだけは興味がある。

そんな大人が群がり始めると、どんなブームもピークですよね。 

去年からそういう大人が私にも近づいて来てたので、それで去年の段階でそろそろピークアウトも近いのかなと考えてましたが、今年はもっと洗練された大人が群がり始めてました。

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まずは去年の話。

去年の丁度今頃だったかなぁ。

普段付き合いの無い東京在住の幼馴染みから突然電話がかかって来まして、

「由紀ちゃん、ハンドメイドに詳しいよね。じゃあ、由紀ちゃんに任せれば何とかなるよね。」

と、詳しい説明が無く事情が一切分からないまま、東京の名前も聞いたこと無い会社の担当者という人を紹介されました。

その方から届いたメールを要約すると、

「〇〇というハンドメイドのマーケットプレイスで、××という近頃注目のスタイリストさんが選んだお気に入りの雑貨・好きな作家という切り口で特集記事を雑誌に載せる。

ただ、××さんに選んでもらうには登録作家や作品数が少ないので、今のままじゃ親会社とスタイリストさんに対してウチが恰好つかない。

そこで、小笠原さんにお知り合いの作家さん達に声かけしてもらってこのサイトにじゃんじゃん登録してもらい、登録作家人数と作品を増やしたい。しかも2週間以内に。

ただし、登録してもらったからと言ってピックアップ作品や作家に選ばれる訳ではない。何故なら選ぶのは親会社の社員とスタイリストさんだから。」
 
オブラードにくるんだ長文で、実際にこういう言い方はしてませんでしたが、要するにこういうことでした。

………バ・カ・に・し・て・ん・の・か?


これって、まず第一に作家さんへのメリットは何?

大急ぎで手間ひまかけてサイトに登録しても、選ばれる訳ではありませんてどういうこと?。

そして、私への報酬について何の記載も無いけど、私はタダで働けって?


ビジネスって、自分の都合を主張する前に、まずは相手にどんなメリットがあるのか提示するのが順序じゃないの?


そのサイトは、日本では知らない人はまず居ない会社が母体のハンドメイドマーケットプレイスですが、実際の企画や運営は小さな会社に丸投げしてるんでしょうね。

私もそのサイトが世間に登場した時にすぐ登録してみましたが、使わなくなるまでに時間はかかりませんでした。だって魅力がナイから。だいたいもうそうしたサイトは一昨年当たりに雨後の筍のごとく増えましたが、minneとcreemaが既に2強です。

そのサイトは他の事業者に比べて、


・参入時期が遅過ぎる。

・他サイトに比較して登録手続きがめんどくさい。

・成約手数料が高い。

・クリエイターに対して上から目線。

・都会的なスタイリッシュ路線を目指してるつもりなのか知らないが、サイトの無機質なビジュアルがハンドメイド向きじゃない。


突っ込みどころが満載です。自分たちだけはそういう問題点に気づいてないんでしょうか。

そういう基本的な間違いを正さないで、有名なスタイリストさんがピックアップして雑誌で紹介って言ってもね、ハンドメイドが好きな人たちって、そういう都会的でスタイリッシュなオシャレ雑誌は読まないしねっ!
 
根本的なところ間違えてますよね。

そういうハンドメイドのこと何も分かってない人達が、こんなことしたらハンドメイド作家や愛好家がホイホイ釣れるはずだと、見当違いな企画立ててサイト運営してるんですね〜。(失笑)


 結局私が、

「このままじゃ企画の恰好がつかないから、登録作家と作品をスタイリストさんとの打ち合わせ前に水増ししたいと言う話ですか?
私なんかに協力を依頼して数十人水増ししても焼け石に水ですよ。だいたい私の推薦で必ず選ばれるならまだしも、作家さんにとって明確なメリットが無い話に、知り合いの作家さんを巻き込んでご迷惑をおかけする訳にはいきません。私の株も下がります。」

と、すっぱり断ったら先方が激怒しました。

泡を食った同級生から「お前あの言い方は失礼やろっ!」とメッセージが飛んで来ましたが、
 


どっちが失礼なんじゃぁああー!? 


その他にも、高知でとあるイベントにワークショップで出展してたら、スポーツ関係の会社の人から名刺を差し出され、

「ハンドメイド始めたって主婦が最近僕の周りに増えて来たんですよ。
そこで、ハンドメイドにビジネスチャンスがあるんじゃないかと思い、ハンドメイド好きな主婦を相手に何か商売したらいけるんじゃないかと思ってます。ご興味ありませんか?」

と言われたりしたので、

やれやれ、ハンドメイドのハの字も分からない有象無象が群がり始めたなぁ。もうこの辺りがハンドメイドブームのピークなのか?

と、思いました。

でも、違いましたね。

今書いた話はもう1年前の出来事ですが、 あれからブームが終わるどころか、増々加熱してるじゃないですか。

今年の東京ビッグサイトのハンドメイドフェスなんて、隣の会場でやってたAKB48握手会より人があふれてましたよ。


■もっと洗練された大人がやって来た 


 昨日投稿した記事にも書きましたが、私は当日券を買って入場するのに1時間半も待ちました。
でも、退屈はしませんでした。真後ろに並ばれた方とずっとお喋りしてたので。

その方は東京のオシャレな街にある某有名デパートの企画担当さん。

「現在改装中のフロアにハンドメイド作家の皆さんに出店してもらいたい。」

とのこと。詳しく聞けば、

「私も実はハンドメイドのことは何も分かっていません。ただ、今ハンドメイドがすごいブームだって噂は少し前くらいから耳に入っていたんです。

ファンの付いてる作家さんはお客さんを呼ぶ力があるらしいので、うちに出店して頂けないかなと。
作家さんには夕方17時くらいまで居て頂くような形で。

ただ、ハンドメイド作家さんに来て頂きたくても社内の者は誰もハンドメイドについて分かっていないので、今日は視察に来たんです。」

と、仰ってましたね。

企画をどう思うか意見を求められたので、こんな感じでお話ししました。


「う〜ん、iichiとかの企画でハンドメイド作家さんがデパートの催事コーナーに出展することは今までにもあり、友人作家達も出てますが、あれって売り上げから5割持って行かれますよね?」
 
「 そうですね…。場所代はなるべくご負担の少なくなるようこちらとしても配慮はしますが、光熱費、人件費などで、やはりうちとしても5割は頂くようになるかと。」

「ハンドメイドって、自分の人件費を無視することでどうにか利益が出せる構造なんです
自分の人件費は10円とか100円だったりすることなんてざらです。売り上げから5割をデパートに持って行かれて材料費と経費を引いたら、作家には利益が無いですよ。

催事で1日だけとか長くても1週間の出展なら、デパートに出展したと言う経歴を得るため、たとえ利益は出なくてもプロモーション代と思って負担に耐えれる作家も居るでしょう。

ですが、普通のブランドショップと同じようにデパートに常駐で出店するとなると、経費の負担に耐えられません。出たい人は居ないと思います。

そもそも、確かに今日の人出はすごいですが、これはイベントだからです。

幾ら人気のあるハンドメイド作家にファンが殺到すると言っても、それは滅多に会えない人から直接買えるチャンスだからであり、実際に作品を手に取って見てから買える数少ない機会という付加価値があるからこそ、わざわざ遠方からでも買いに来るんです。

それが、いつも同じ場所にお店があり、いつでも会える人・買える商品になってしまったら、プレミアム感は無くなり、かえって作家のブランド価値は下がります

だから、ハンドメイド作家がデパートにお客さんを呼ぶことを期待しても、思うような結果にはならないのではないかと思います。

だいたい、ハンドメイドのことが何も分かっていないデパートだけで、どうやって作家とコンタクトをとるんですか? minneやcreema、iichiとコラボしないと無理でしょう?」

「実は、来週minnneさんとお話しさせて頂くんです。」

「そうですか。minneはこのあいだガイアの夜明けにも紹介されていましたもんね。見ましたか?」

「見てないです。」

「そうですか。私はあれを見てminneがペパボの事業だって初めて知りました。ちょうどペパボ創業者の家入一真さんの『我が逃走』を読んだばかりだったので、会社の成り立ちがよく分かって良かったですよ。」





「あ、メモさせて下さい。minneに行く担当者に読ませます。」

「っていうか、本当に何も知らないんですね。」

「そうなんですよねw 今こうして小笠原さんとお話しさせて頂いて大分勉強になりました。今日の収穫はこれで十分なくらいwww」


そんな話をして別れましたが、会場内で合流した友人作家にその話をすると、

「作家がデパートにブランドとして出店なんて そもそも無理よ。
だって朝から晩まで毎日作家が売り場に居て販売しないといけないんじゃ、一体作品はいつ作るの?
作品を作る時間がないんじゃ売る物が無いでしょ?」

あはははは、そりゃそーだw


こんな風に、ハンドメイドのことは何にも知らないし分からないけど、ハンドメイド作家を利用して集客が出来るんじゃないかとか、人が集まればお金になるんじゃないかという思惑を持った大人が、今この瞬間にも大挙して群がろうとしています。

それも、洗練された錬金術のノウハウを持つ 大人達が。

そして、そんな大人によってスターも生み出されようとしています。
その話は又明日。


つづく